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多様で多文化な視点や価値観に触れ、自らの夢に、それが思いもしなかったようなどんな大きな夢だとしても、チャレンジするよう背中を押され、最先端の施設や教材が整った環境で学ぶ・・・いうまでもなく、これらが国際教育の優れた特徴です。
しかし、これらはインターナショナルスクールの中で起こっていることに過ぎません。国際教育の真の価値は、教室を離れた、はるか外の世界にあるのです。
実際に国際教育を選べば、どのように子どもたちに創造的に、批判的に考え、未来を切り拓く力を育むのか、すぐに分かるはずです。
1. 大きく広く広がる世界
様々な文化、伝統、視点、価値観、背景、境遇、学習アプローチが共存する環境で、異文化意識や国際理解を培うことが、国際教育の大きな目標のひとつです。
多様な国籍や背景、幅広い能力やスキルを持つインターナショナルスクールの生徒たちは、互いの違いを尊重し、多角的、多面的な視点を養いながら自らをとりまく世界への理解を深めていきます。
国際的に認知されたカリキュラムから、多様な生徒層と世界各国からの教員、コミュニティとの連携関係、豊富な課外活動プログラムに至るまで、名古屋国際学園(NIS)の学習環境やプログラムは、そのような理解のもとに構成されています。数ある課外活動の中には、特に外交や国際関係を学ぶことに力を入れているものもあります。
卒業後は、日本に留まり次のステージに進むことも可能です。しかし国際教育ならさらにその先、世界中どこへでも、自らの夢や目標を実現するのにふさわしい場所へと、新たな学びや活躍の場を求めて進むことができます。
2. 道はひとつだけじゃない
夢や目標の実現にたどり着く道は、ひとつだけではないかもしれません。まわり道したり、そこにたどり着くプロセスの方が大切で、意義があることもあります。
憧れの大学やなりたい職業を目指して突き進むのもいいですが、インターナショナルスクールは、自分らしく、それぞれに合った道筋を探す後押しをします。生徒自身が自らの進路の決定に主導権を持つことが、自身の可能性を最大限に発揮することに繋がるからです。
学びを深めたいという意欲のもとに、理化学研究所の知的行動制御連携ユニットの研究の第一人者に自ら連絡をとった2人の11年生の生徒たちがいます。そして彼らはその研究者の国際研究室で、一生に一度しかないような貴重な経験に巡り合いました。
なんと彼らは週に3時間、ロボットアームの実験に関わるプロジェクトに携わる機会を得たのです。プロジェクトの目的は、鉛筆で絵を描くロボットアームのプログラムを構築すること。力の入れ具合を調整することで濃淡を表現します。更に、画素から濃淡を分析し、インターネット上で見つけたスケッチを複製するプログラムにも携わりました。
これらの研究が、例えば感染症の検体採取ロボットなどに応用され、実用化されたら素晴らしいことです。
探究心、そして自ら理化学研究所の研究員にコンタクトした思い切りと勇気が、彼らにこのような素晴らしいチャンスをもたらしたばかりか、それぞれが自身の進路を決める重要な足がかりともなりました。1人はプログラミング、もう1人はハードウェアの設計を学ぶ道へと進みます。
NISに入学が決まっていたマキは、新たな学校生活へと思いを馳せ、10年生として万全のスタートを切るために、NISのキャンパス、課外活動、そしてIBプログラムについてリサーチしていたところでした。そこで、MYP(IB中等課程プログラム)の総決算として10年生が取り組む、パーソナルプロジェクトのことを知りました。
早速、自分はどんな分野に興味があり、何に情熱を注げるのかに思いを巡らせたマキは、初心者向けのプログラミングの教材を作ることを思いつきました。
そして更に調査を進めるうちに、女子中高生対象のプログラミングコンテストの存在を知り、挑戦することにしました。
マキが参加したのは、第1回日本情報オリンピック女子部門(JOIG)。そこで見事金賞を獲得した彼女は、その2ヶ月後、日本代表として第一回ヨーロッパ情報オリンピック女子部門(EGOI)に他の上位3名受賞者と共に参加しました。
彼女の情熱はNISでのパーソナルプロジェクトで初心者向けの教材を作るだけにとどまりません。未だ男性中心だと思われがちなプログラミングや情報科学の世界が、女子にとってももっと身近なものになるようにしたいと考えています。そして卒業後も、その情熱を活かせる道に進むつもりです。
世界35か国から約150名の若者が一同に会した京都コングレス・ユースフォーラムで大役を務めたのは、当時NISの11年生だったミナとスティーブン。ミナはイベント全体の議長に、スティーブンは報告者(Rapporteur)の役割を担いました。
日本では50年ぶりの開催となった第14回国際犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス。その議題に関連したテーマについて学生が議論した結果を「勧告」としてまとめるのがユースフォーラムです。日本での開催は50年ぶりのことでした。
報告者としてのスティーブンの役割は、彼が参加した分科会「安全なネット社会に向けた若者の責任」での議論をまとめた勧告文の草案を作り、またそれを議長であるミナに報告することでした。
ミナには、議長としてユースフォーラムの全体会合で開会の挨拶をした後、各分科会の議論にも参加するとともに、ユースフォーラムを代表して本家本元の京都コングレスに参加し、各国代表に対し「勧告」を提出する役割がありました。
菅総理大臣(当時)の演説に続き、また高円宮妃久子殿下からのお言葉に先立って行われたミナの演説は落ち着いて自信に満ちたものでした。その後、彼女は京都コングレスの事務総長の、ジョン・ブランドリーの国連薬物犯罪事務所条約局長に、ユースフォーラムからの勧告を手渡しました。