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コロナ禍で新たな自分と向き合ったおうち時間。生徒たちはどのように過ごし、新たな自分を見つけたのでしょう?
一見、オンライン環境での授業が困難に思える科目は多いものです。例えば、化学、体育、音楽など。試行錯誤を繰り返し、NISの教師たちは、全生徒にとって有意義なオンライン授業の実現のためには、柔軟性と順応性が重要であることを実感しました。
美術も、オンラインで行うのがとりわけ難しい授業に挙げられるでしょう。実際の教室での授業においては、生徒は様々な道具や画材を利用します。教師は技法を説明し、必要に応じアドバイスを与えます。では、スクリーンを通して創造性を育むにはどうしたらいいのでしょう?答えはもちろん、創造性です。たとえば「Padlet」のような新たなツールを活かし、教師が生徒の作品をまとめ、共有するのに利用しました。また、もうひとつ重大な役割を果たしたのは、創造性を掻き立てる空間の確保、素材の収集、作品の記録とクラス内での共有にあたりサポートしていただいた保護者の存在です。
オンライン授業の11週めに取り組んだプロジェクトからは、美術のクラスでの生き生きと躍動感溢れる様子がよくわかります。小学部の美術教師、ナオミ・フェイル教諭が出した課題は、各自のオンライン授業の日々を振り返り「オンライン授業ポートレート」を制作すること。写真を通して社会や文化に迫る写真家のグレッグ・セガール氏の作品から着想を得ました。セガール氏の代表作である2つの作品群「7日間のごみ」「毎日の食事」は、互いに相関性を持ちながら私たちの消費活動がいかにして私たちの体や地球に影響を及ぼしているかを描いています。
家庭での学習の様子を表現する課題を与えられた生徒たちは、教材、自身の学習スペースにあるもの、自らの関心や個性を反映する品々を集めました。それら全てと自身を、見た目に楽しく配置した作品を制作するのが課題です。提出された作品はどれも非常に興味深く、また生徒たちが自宅で学び、夢を追いかけた様子を鮮やかに表していました。
このプロジェクトは、スクリーンに隔てられつつも豊かに花開いた創造性を示すほんの一例です。芸術科目の教師たちは、生徒がそれぞれに持つ独自の創造的プロセスを引き出し、すぐ目の前にある題材に新たな光を当てるよう仕向けました。まるで魔法のように。