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NIS Stories

インターナショナルスクールの大学進学事情

Graduates of the class of 2020 slap hands in congratulations.

保護者の皆さまにとって、学校を探すうえで重要なポイントは沢山あることでしょうが、多くのご家庭に共通して最も気になるポイントは、将来の進路についてではないでしょうか?将来どのような道が開けるのか、日本の大学へは進学できるのか、海外だったらどんな大学に進学できるのか、出願はどうしたらいいのか、カウンセラーはどの程度サポートしてくれるのか、奨学金の受給は可能なのか・・・など。どれも重要で、ひとことで答えられるような問題ではありません。そして、生徒の数だけ、その夢や目標の数だけ、数限りない進路があります。生徒に寄り添い、各々が描く将来に近づくことができるようサポートする・・・それが、名古屋国際学園(NIS)の進学カウンセラーの役割です。NISでは、様々な家族のニーズにお応えするため、2名の進学カウンセラーがチーム体制でサポートしています。

 

海外の大学へ

 

海外の大学に進学したい と言っても、選択肢は多すぎるし、出願プロセスも分からないし、どこから手をつけていいのか分からない、と、多くの日本人家庭にとっては雲をつかむような感覚かもしれません。そんな生徒や保護者をサポートするのがムーディー教諭です。

NISで進路カウンセラーが具体的に進路の話を始めるのは10年生になってからですが、やはり最初は自分が何をしたいのかまだよく分からない、海外の大学に行くなら誰もが名前を知っているような有名大学や、ボストン、ニューヨーク、ロサンゼルスなどの大都市に行きたい、という生徒が多いそうです。これはまだ大学探しを始めたばかりの生徒にとっては仕方のないことですが、実際にはアイビーリーグや、誰もが知っている有名大学以外にも負けないくらい素晴らしいプログラムを提供する学校は世界中にたくさんあります。生徒がこれまで学んできたこと、積み重ねた努力に自信と誇りを持ち、チャレンジする姿勢を応援するムーディー教諭ですが、固定観念に囚われず、これまで想定外だったオプションを検討する姿勢も大切だと考えています。例えば近年ですと、オランダの大学などはNISの卒業生のような、IBディプロマを取得した生徒に高評価を与える傾向があります。また、奨学金プログラムやオナーズ・プログラム(成績優秀者を対象とした特別プログラム)を紹介することで、生徒の視野も、進路も開けることがあります。こうしてNISの卒業生たちは、アメリカ、カナダ、イギリス、オランダ、オーストラリアなど世界各国の大学で、各々の夢に向けて新たな一歩を踏み出します。

生まれ持った国籍、言語、学習背景、そして将来の夢や目標が異なる生徒たち一人一人がそれぞれの進路を選択し旅立って行くプロセスをサポートする中で、ムーディー教諭が一貫して目指すのは、自らの将来に責任を持つ姿勢を育むこと。自分はどうしたいのか、そのためには何か必要なのか、何をするべきか・・・他人に言われるのではなく、自主的に考え、情報収集し、実行する力を培うことが、学業においても進路選択においても重要だからです。

Students receiving a diploma

 

日本の大学へ

 

以前はNISの卒業生の大部分は海外の大学に進学していましたが、近年はIBディプロマを取得したインターナショナルスクールの卒業生を受け入れる日本の大学が増加したこと、さらにはコロナ禍の影響もあり、NISから日本の大学に進学する生徒の割合は増加傾向にあり、2019年以降の3年間では卒業生の約3割が日本の大学に進学しています*。

日本の大学への進学をサポートする林田教諭も、生徒が自ら考え、行動する力を育む姿勢はムーディー教諭と同じです。やはり最初は、将来どうしたらいいのか分からない生徒もたくさんいる中で、カウンセリングをきっかけとして、自分が何が好きなのか、何に情熱を持っているのか、将来どんな人生を歩みたいのかを自分で考え、決断する力を養うことを目指しています。

日本の大学のプログラムや出願方式、出願要項は、年々多様化、複雑化しています。しかし、自分が学びたい分野はどの大学のどの学部で学べるのか、どんな書類が必要なのか、出願期限はいつなのか、など、大学のリサーチや出願のスケジュール管理は生徒各自の責任です。林田教諭は進路カウンセラーとして生徒に寄り添い、そのためにはどこを調べたらいいのかなどの必要な情報やアドバイスを提供し、リサーチの中で浮かび上がった疑問に答えるなどのサポートは惜しみません。しかしあくまでも主体となるのは生徒。何故なら生徒が自分で考え、悩み、必要な情報にアクセスし、試行錯誤しながら自ら決断を下す、これらは大学でも社会でも必ず必要となるスキルだからです。生徒が自分で動き出し、リサーチを進め、様々なオプションの中から出願する大学を選び、家族と十分話し合い、必要書類を揃え、アップロードし、出願・・・このプロセスに寄り添い、サポートし、出願を完了させた時の生徒の達成感と安堵感を共に味わうことが、進学カウンセラーとしての大きな喜びのひとつでもあります。

また、林田教諭が強調するのは「対話」の重要性。将来に不安を抱えている生徒も、カウンセラーだけでなく、教師や家族、友人と話すことで、不安が希望に変わっていくそうです。コロナ禍の今、より一層コミュニケーションの重要性を痛感しています。

 

コミュニティで支える進学カウンセリング

 

進学カウンセリングは、生徒やその家族と、将来について語り合う長い対話のプロセスです。行き先が海外だろうと日本国内だろうと、進学カウンセラーは生徒と、時には保護者も交えた話し合いを繰り返します。そこで重要なのはもちろん、生徒本人に自分の進路についての明確なビジョンがあること、なければこれから方向性を定める用意があることですが、同様に重要なのが自分自身を知ることです。生徒本人が考えている自身の姿がいつも100%本人が思い描いていた姿であるとは限りません。時にはカウンセラーや教師が、生徒が自覚していない生徒の本来の姿を知っていることもあります。例えばこの生徒は音楽や美術などの素晴らしい才能を持っているとか、 環境問題、人権問題などに関わる課外活動に熱心に取り組んでいたとか、NISが小規模の学校コミュニティだからこそのメリットで、生徒のことをよく理解しているがゆえに客観的に気づくこともあり、そこから進路についての対話が広がることもあります。

個別のカウンセリングの他には、10年生以上の生徒と保護者を対象としたインフォメーション・セッションも実施しています。テーマは対象となる学年や実施時期で異なり、例えば10年生時には、11年生から履修開始するIB ディプロマ・プログラム(IBDP)のコース選択のためのセッション、11年生時には志望大学の選択やエッセイの書き方など、12年生開始時には出願プロセスについてなどのセッションがあります。保護者が参加できるよう平日夜間(午後6時から)、2020−21学年度からは感染防止対策のためオンラインにて開催しています。

また、2021−22学年度から10年生以上を対象にキャリア教育の授業が始まりました。キャリア教育は、2週間に一度、大学出願プロセスについて、リサーチのやり方、入学願書の書き方、必要書類の揃え方などについて、進学カウンセラーが説明したりアドバイスする時間です。

そして、もうひとつ、2021−22学年度の新しい試みとして、2022年6月に開催した11年生とその保護者を対象としたミニ・カレッジフェアがあります。コロナ禍以前は、国内外の大学の入学担当者が不定期でNISを訪問し、11、12年生を対象に情報提供を行う機会がたくさんありました。コロナ禍でそういった大学説明会はオンラインに移行していましたが、このたびコロナ後初めて、複数の大学関係者をNISキャンパスに招き、生徒、保護者と対話する機会が実現しました。さらに今回はNISの卒業生も参加し、生徒たちは大学生活やその後についての話を聞くことも出来ました。

数年前自分と同じ立場だった先輩の話の体験談は、進路選択に悩む生徒たちにとって非常に有益で、何ものにも代え難い影響力があります。2021−22学年度はこれ以外にも、年間を通し数名の卒業生がNISを訪問し、生徒たちと直接話す機会を持ちました。これらは今後も続けていきたいNISの新しい伝統です。

 

NIS College Fair 2022

 

自分だけの道を見つけるために

 

ではもし、大学に興味がないという生徒がいたらどうなるのでしょう?こういう場合、大抵は「行きたくない」のではなく、自分が将来何をしたらいいのか分からない、自分の将来に対する考えに自信が持てないことが原因であるのがほとんどなのだそうです。こんな時、生徒のことをよく理解しているNISの進学カウンセラーは、適切な質問で生徒が無意識に抱えている不安を探り、一緒に答えを探すよう導きます。答えはコミュニティカレッジの特別プログラムなのか、4年生大学なのか、あるいはそれ以外なのか、いずれにしても、生徒が自分の道を探る上で方向性を定める手助けをします。ムーディー教諭は言います。「大学には学問以上の意義があります。自分自身を探り、己を知る場所でもあるのです。」

NISの生徒層が多様であるように、卒業生の進路も多岐にわたります。国内、海外の一流大学への進学も、コミュニティカレッジへの入学も、推薦入学で日本の大学に行くことも、卒業後に一般入試で日本の大学に合格することも、実は全部不可能ではないのです。ただ、そのためには本人の強い意思だったり、人知れない努力だったり、あるいは非常に高いIBスコアが要求されることになるでしょう。どのような進路を選択したとしても、考え、悩み、迷い、喜び、もしかしたら時には悲しみ、と、生徒やその家族にとっては長い長いジェットコースターのような道のりです。NISの進学カウンセラーは時に一緒に泣いたり笑ったりもしながら、その長いプロセスを見守り、寄り添い、支えています。

 

NISの卒業生の大学合格実績はこちらからご覧ください。

*日本の大学への進学についてはこちらもご覧ください。

 

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