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2020年2月27日木曜日。名古屋国際学園のカフェテリアは10年生のコンサートに集まった保護者と教師たちが音楽とおしゃべりや軽食を楽しみ、和やかな空気にあふれていました。子どもたちの演奏を楽しみに駆けつけた保護者の皆さんと同じ気持ちで、私も楽しんでいました。いつもと変わらない、特別なイベントの夜でした。
しかしこれはまた別の意味でも特別な夜になりました。新型コロナウイルスの状況は深刻さを増しており、来るべき時への準備も進めてはいました。
それでもそれはあまりにも急な出来事でした。
コンサートが中盤に差し掛かった頃、私の電話に次々と通知が入ってきました。外に出て確かめると、それらは他のJCIS(日本インターナショナルスクール協議会)加盟校の校長らからでした。テレビでは安倍首相が学校の一斉休校要請についての会見を行っていました。これが私たちのコロナ禍との闘い、そしてキャンパス閉鎖の始まりでした。
この夜を最後に、キャンパスにコミュニティが集うイベントは無くなりました。去年の夏、キャンパスで新型コロナワクチンの大規模接種を実施し、一千人ものコミュニティの皆さんが訪れた時を除いては。2年近くにわたり保護者の皆さんをキャンパスにお招き出来ない日々が続きました。
ようやくそんな日々に区切りをつけたのは昨年12月のことでした。冬休みを前に、ELCのコミュニティ・タイム、PTAのミーティング、発表会など、キャンパスに保護者をお招きできるイベントが復活したのです。以前の日常が戻ってきたようにも感じられました。学校とはコミュニティであり、優れた学習環境を構築し健全な心身を維持する上で学校と保護者との連携は欠かせません。私たち職員も、保護者も、生徒たちも、誰もが再会とその瞬間を共有する喜びを噛み締めました。お互いオンラインでしか会えない日々はもうたくさんです。この日を迎えるまで保護者の皆様にはひとかたならぬご支援を賜り、感謝に堪えません。皆様のご支援とご協力があってこそ、この日を迎えることが出来たのです。
当然ながら、オミクロン株がもたらす新たな脅威も見据えつつ、今後も状況を注視してまいります。これ以上状況が悪化しないことを祈りますが、意外に早く、再びキャンパスへのアクセス制限を強化しなくてはならない時が訪れるかもしれません。これまで同様、専門家による医学的助言と行政機関の指示に従い、生徒の安全と心身の健康を最優先に努めてまいります。
2021−22学年度も後半に差し掛かるにあたり、保護者の皆様方のご支援に心より御礼申し上げます。私たちはこれまで共に困難を乗り越えてまいりました。今後何が起ころうとも、私たちのコミュニティにはどんな試練も跳ね返す強さがあると信じています。なぜなら、私は毎日学校のあちこちで、真の思いやりの精神を目の当たりにしているからです。明日が不確かなこともあるでしょう。でも私たちが共にこのパンデミックを乗り切ることが出来ることは確かです。