インターナショナルスクールから日本の大学に進学することはできるのでしょうか? 名古屋国際学園への入学のお問い合わせの際に最も多いご質問にお答えします。
インターナショナルスクールのカリキュラムは、アメリカ、カナダ、イギリスなど英語圏の大学に進学することを目的としており、実際、ほとんどの卒業生は海外の大学に進学します。英語力を活かして国際的に活躍出来る大人になって欲しいと願う一方で、やはり将来は日本の大学を卒業して欲しい、日本の大学に進学出来る可能性はあるのでしょうか?
インターナショナルスクールからも日本の大学に進学することは出来ます。
文科省は、WASC(米国西部地域私立学校大学協会)、CIS(国際学校協議会)、ACSI(キリスト教学校国際協会)などの国際的な教育認定組織の認可を受けた教育施設において12年の課程を修了するか、国際バカロレア・ディプロマ資格を 取得した生徒には、日本の高校を卒業した者と同等以上の学力があるとして大学入学資格を認めています。近年、日本の大学の入学審査は多様化してきていますが、インターナショナルスクールの卒業生でも、大学入学共通テストや、一般の学部入試を受験する資格があるということです。しかしながら、 少なくとも高校卒業までの数年間、英語で、しかも日本の教育システムとは異なるカリキュラムで学習してきた生徒にとって、日本語の筆記試験で日本の高校生と競い合うのは現実的には容易なことでは無いでしょう。
また、インターナショナルスクールは外国の学校と同じだから、帰国生としての受験資格が認められるのではないかとも思われがちですが、残念ながら多くの大学では、インターナショナルスクールの卒業生には帰国生入試の受験資格を認めていません※。そこで、かつてはインターナショナルスクールの卒業生が日本の大学への進学を希望した場合、一部の大学に設けられている、受験生の国籍や、高校課程をどこの国で修了したかを問わない学部へ進学するほかありませんでした。ほとんどの大学で「国際教養学部」と呼ばれるこのような学部は、一般の受験生以外にも帰国生や留学生、イン ターナショナルスクール卒業生などを対象として英語で講義を行うプログラムを実施し、9月入学も可能です。 慣れた英語で学習しながら日本の大学を卒業出来るというメリットはありますが、 以前はこのようなプログラムは国際教養といった分野に限られ、他の分野を専攻出来る選択肢はありませんでした。
しかしながら、文部科学省による国際化拠点整備事業「グローバル30」、そして日本国内における国際バカロレア(IB)の認知度が高まるにつれ、日本国内のインターナショナルスクールの卒業生が日本の大学に進学できる可能性が徐々に広がってきたようです。専攻出来る分野も、物理学、生物学、政治経済など多岐にわたります。
とは言っても、カリキュラムも卒業時期も日本の学校とは異なるインターナショナルスクールの卒業生が日本の大学に進学するにあたっては様々な制約や一般的な入試との相違点があり、入学申請にあたっては慎重に検討するべきポイントがいくつかあります。
インターナショナルスクールの生徒にとっての学習言語は英語です。日本語を母国語としていても、大学に入り更に高度な学習内容を突然日本語で履修し始めるのはなかなか容易なことではありません。そこでほとんどの場合、インターナショナルスクールの卒業生は英語での学習を継続することを選択します。ただし、英語のプログラムを実施する日本の大学が増加傾向にあるとはいえ、全体的にはまだ一部の大学、学部に限られます。希望する大学に将来自分の進みたい、学びたい分野が英語で履修できるプログラムがあるかどうか、確認する必要があります。
IBディプロマの取得の有無やIBのスコアは、大学入学選考において最も重要な要素と言えるでしょう。日本の一条校とはカリキュラムや成績評価の方法が異なるインターナショナルスクールの卒業生を評価するにあたり、IBの結果は大学にとっては生徒の成績や素養を示す重要な指標であり、生徒にとっては一番のアピールポイントです。全ての大学がIBディプロマの取得やスコアの提示を求めるわけではありませんが、IB認定校であるNISで、なぜIBディプロマを取得しなかったのか、大学はその説明を求めるでしょう。IBディプロマを取得してもしなくても、高校時代、学業や課外活動などに真摯に取り組んだか、自らの関心や将来の夢に向かって努力したかをアピールできれば、評価してくれる大学があるかもしれません。
英語でのプログラムの主流は、海外やインターナショナルスクールの卒業時期に合わせた9月、10月からの秋入学です。海外の大学への進学を含め、秋入学を目指す名古屋国際学園の生徒は、12年生の秋から本格的に大学出願の準備を初め、10月から1月にかけて出願、12月から春にかけて合否の結果を受け取り、5月末から6月初旬に卒業を迎えます。これに対し4月入学の場合は、英語のプログラムであってもインターナショナルスクールでの通常の大学出願プロセスとはスケジュールが異なる場合があります。卒業の時点で進学先が決定していない可能性もあるのです。4月入学を希望するのであれば、各自が希望大学、学部の出願プロセス、要項をしっかりと把握し、準備を進めることが非常に重要です。
出願資格、要件、選考方法やそのプロセスなどは、大学、学部により異なるうえ、年度によって変更されることも珍しくありません。今現在、インターナショナルスクールの卒業生が進学可能な英語のプログラムがなくても、5年後、10年後に開設されることもあるかもしれませんし、その逆もありえます。では今、どの大学のどの学部なら進学できるのか、全ての大学のリストはありますか?との質問も受けますが、残念ながら大学は独自に選考基準などに変更を加えるため、最新の情報を全て把握することは不可能です。名古屋国際学園では、どのような大学で何を学びたいのか、将来何を目指すのか、生徒本人がじっくり考え、リサーチをし、必要であれば直接大学に問い合わせるように指導しています。進路指導について詳しくはこちらをご覧ください。
昨今の世界情勢を受け、名古屋国際学園でも日本の大学への進学を希望する生徒は増加傾向にあります。同時に、安全で治安の良い日本への進学を希望する外国人も増加しており、インターナショナルスクールから日本の大学に進学できる可能性が広がったとはいえ、依然それは狭き門であることに変わりはありません。
日本であろうと、海外であろうと、名古屋国際学園での学校生活やIBプログラムを通して培った思考力、創造性、国際性、語学力に、大学生活で更に磨きをかけ、自らの夢や目標を実現し、地域や社会に貢献できる人間になって欲しいと願っています。
※一部の大学では、海外の高校の卒業を待たずに帰国し、帰国後インターナショナルスクールを含む日本国内の高校に編入した場合でも、海外の高校での在籍年数や、帰国から出願(または入学)までの年数などの様々な条件を満たしていれば、帰国生として受験できることもあるようです。条件は大学、学部によって異 なりますので、出願資格の有無は各大学にお問い合わせ下さい。
NIS卒業生の卒業後の進路についてはこちらをご覧ください。
名古屋国際学園における進路指導について詳しくはこちらをご覧ください。