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NIS Stories

コロナ禍に立ち向かう帰国子女の皆さんへ

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日本に帰国するとき心配だったことは? インターナショナルスクールを選んだのは何故?IBプログラムは大変? 帰国子女の先輩たちに、学校生活や将来の目標などについて語ってもらいました。コロナ禍に立ち向かう帰国子女の皆さんへの応援メッセージです。

(インタビュー実施:2020年7月)

Aさん:2019年度卒業生。ポーランドのインターナショナルスクールに2年半在学後、2017年8月に10年生に編入。卒業後、イギリスの大学に進学。新型コロナウィルスのため2020年3月に帰国、6月までオンライン授業を受講。
Bさん & Cさん:アメリカで生まれ育つ。11歳のときに日本に移住し、NISの6年生に編入。2020年8月からは12年生。

NISに入学した理由を教えてください。
C: 先に日本に帰国した友達が、数年後にほとんど英語を話せなくなっているのを見て、自分たちは英語を忘れたくないという思いがあったのが理由のひとつです。
B: もう一つは、アメリカで慣れている環境で勉強した方がストレスなく学べるのではないかという両親の考えで、インターナショナルスクールに通うことにしました。
A: 海外の大学に行きたいと思ったのが一番の理由です。どこの国に行って何をしたいとかまでは考えてなかったんですけど、ポーランドに行く前から海外の大学に行きたいと思ってました。

海外で勉強したい、英語で学びたいと思っていたのは何故ですか?
A:私の勝手なイメージなんですけど、日本の大学はあまり一生懸命学べる環境ではないような気がしていて、せっかく帰国子女になれるチャンスがあるのだから、海外の大学に入って英語ももっと話せるようになりたいと思いました。海外が好きだというのも大きな理由でした。小学校のときに経験した日本の文化、ポーランドでの経験も踏まえて、今度は違う国で英語で自分の実力を確かめたいというのも大きかったです。
B: 日本に引っ越したときはまだ6年生で、将来のことは考えていなかったので、海外の大学に行きたいと思うようになったのは最近です。英語を活かして海外で仕事をしたいと思うようになりました。
C: 私はあまり冒険するタイプではないので、大学を選ぶときも、生活したことのあるアメリカか日本のどちらかにしようと思っています。どちらかを選ぶとしたら、人生の半分以上を過ごしているアメリカに戻りたい気持ちが芽生えてきました。

生まれ育ったアメリカを離れて日本に引っ越すとき、不安だったことや楽しみだったことを教えてください。
B: ちゃんとなじめるかどうか、勉強についていけるかどうか、不安でした。でも、一時帰国の際にNISを見学したときに、以前通っていた学校より広くて大きかったので、そういう環境で学べることは楽しみでした。
C: 以前の学校では日本語の授業はなかったので、そういう新しい科目についていけるか心配でした。でも、大きな体育館があったことや、広いカフェテリアでみんなでわいわいと賑やかにランチを食べている様子に、新しい学校生活がとても楽しみになりました。

NISでの生活にはすぐに馴染めましたか?
C: 帰宅するとどっと疲れが出るような毎日だったような気がします。放課後のスポーツ(部活動)に参加するのも初めての経験だったので、新しいことへのチャレンジの連続で疲れました。

(Aさんに)ポーランドから帰国するとき何が一番不安でしたか?
A: IBプログラムでちゃんとスコアがとれて、大学に入学できるかどうかが一番心配でした。英語力への不安もありました。入学前に何度もアドミッション・オフィスの人とSkypeで相談させてもらって、本当に助かりました。

入学してみてどう感じましたか?
A:10年生の時からしっかりDPの準備をしていて、例えば数学などでもDPで勉強する内容を10年生からやっていたりして、すごいなあと思いました。ちょっと難しいなと思いました。

(Aさんに)大学進学についての不安があったようですが、進路指導のサポートはありましたか?
A: 日本の大学に進学したい人のためには日本の大学専門の進路指導の先生、海外の大学に進学したい人のためには海外の大学の進路指導の先生がいらっしゃることがいいなと思いました。あと、10年生のときから大学について考える時間があるので、それまで考えていない人でも将来について考え始めるのにいいきっかけになると思います。11年生、12年生になると、進路について先生と一対一で話す時間をたくさん設けていただいてすごくよかったです。大学の担当者がNISに来て話してくれる機会も多かったので、自分が行きたい大学でなくてもいろんな大学の話を聞けて比較をすることが出来ました。いちばん助けになったのは、自分が助けが必要なときに連絡をすればすぐにサポートが受けられる体制が整っていることはとても助かりました。

Bさん、Cさんはちょうど今その時期ですね。
C: たまにホームルームの時間に、進路指導の先生が進路選択や出願などに関するウェブサイトの使い方を指導して下さる時間があって助かります。
B: 9年生、10年生の頃から、「これは大学進学に役立ちますよ」ということを教えてくださるので、少しずつ大学について考え始めるようにはなって、進路について本格的に考えるようになった今、よかったなと思います。社会に出てから、いつでもそのようなサポートが受けられるとは限らないと思うので、今は恵まれた環境にあると思っています。

DPが始まると勉強も大変だしストレスが増えると思うのですが、そういう時に頼りにできるサポート体制はありますか?
B: ストレスがたまったり大人に相談したいことがあるときは、iSpace(生徒支援部の教室)に行くと、相談にのってもらえる環境が整っていると思います。あと、スポーツの遠征で授業を休まなければいけないときにも、事前に先生に話せば、次の授業の準備に必要なことを教えて下さるなど対応して下さるのは恵まれていると思います。

(Bさん、Cさんに)今、学校生活で楽しいことは何ですか?
C: 楽しいことと言っていいのか分からないですけど、高校生活が終わりに差し掛かると、何をするにも「高校最後の〇〇」といった感じのイベントみたいになるのがちょっと面白くて寂しいのもあるんですけど楽しみです。
B : 11年生でIBプログラムが本格的に始まってから、自分のとりたい教科、好きな科目、興味のあるものを勉強できるので、授業が楽しみになります。ディプロマ・プログラムに入って勉強が難しくなって、予習や復習の時間も増えて大変なんですけど、自分が今「学んでいる」という実感はすごくあります。

やりがいがあるということですか?
B: やりがいはありますね。自分が得た知識を自分の言葉で引っ張り出せるというのが、自分は今すごく学んでいるんだなと思います。

特に好きな科目は何ですか?
B: (かなり悩んでから)全部好きなんですけど、好き=得意ではないので・・・苦手な科目はあります。好きですけど苦手です。10年生の頃から目標があって、それに基づいてIBの科目を選択したので、今は自分の将来の夢を実現するために必要な科目を学んでいる感じです。
C: だいたいどの科目も好きです。難しくて勉強の量が増えてくると、その科目が嫌いになりそうになるんですけど、日常生活の中で、学校で学んだことを引っ張り出して関連づけることができると、その科目にすごくやりがいを感じますね。

Aさんは好きな科目などありましたか?
A: 私は理系だったので数学とか物理などが好きでしたが、先生の影響が大きかったです。授業の後に、先生と授業についてとかそれ以外のことでも話すことで、先生との距離を縮めることが出来て、それがゆくゆくは内容を深く理解することにもつながりました。サポートがとても篤かったので。あとは、科目だけじゃなくて先生の好き嫌いもありましたね。

(Aさんに)NISでの経験で役に立っていることはありますか?
A: いろんな人種のいろんな考え方を持った人たちと出会えたことですね。おかげで視野が広がったことが、私にとってとてもいい経験になりました。NISで視野が広がったことが、イギリスで更にいろんな人と出会って視野が広がったことにも繋がっています。

IBプログラムをやっていてよかったと思うことはありますか?
A: すごくあります。IBに取り組んだことで勉強の仕方が分かったというか。イギリスの大学のシステムと少し似ている部分があると思うんですが、テストに向けての自分のコンディションの作り方やスケジュールのたて方とか。期末の大きなテストに向けて、その前の模試とか小テストが自分の取り組み方を考えることにつながりました。もう一つ、レポートをたくさん書いたことがすごくよかったです。周りには、大学に入って初めてレポートを書く人がたくさんいるんですけど、私は高校時代に物理でもほぼ毎月レポートを書いたりしていたので、その経験はとても役に立ちました。言葉の選び方とか、レポートの構成の仕方も身についていて、それに従って書けば大学でも評価してもらえるので、その点はすごくためになりました。

将来の夢や目標はありますか?
A: 今、工学を学んでいるんですが、英語力がまだ足りないと自分では思うので、もっとネイティブに近づけるように英語をレベルアップしたいです。そして、工学の知識と英語を活かし、日本企業の海外進出を後押しして、日本の産業の更なるグローバル化に貢献できたらいいなと思っています。一方で、イギリスでも働いてみたい気持ちもあるので、一年間イギリスの企業でインターンをしてからじっくり考えるのもいいかなと思います。
B: 昔から看護師さんになりたいと思っていたんですが、自分が好きなこととか興味があることを考えるうちに、小児外科の看護師として働くことがひとつの目標になりました。その目標が実現できるようにIBの科目も選択しました。できれば英語力を活かして海外で看護師になりたいです。
C: 私は小さい頃から学校の先生になりたかったんですが、NISのサマープログラムの高校生スタッフとして働いたときに小さな子供を教えるのが楽しかったので、幼稚園の先生になりたいと思うようになりました。海外の大学に行って、二か国語が話せる強みを活かして、世界各国で活躍したいです。

帰国後の学校選びにあたってのアドバイスをお願いします。
A: 自分の将来のための選択肢をできるだけ減らさないような学校を選ぶことは大事だと思います。例えばNISのようなインターナショナルスクールなら、日本語の授業もあるし、日本の大学も海外の大学も選択できる可能性があります。色々な学校を調べて行ってみたりして、よく考えることが大切だと思います。
B: 私が学校選びに大切だと思っていることは3つあって、一つはAさんと同意見で、自分の可能性を潰さないような学校、自分がやりたいことを生かせる学校を選ぶこと、もう一つは自分が一人ではないと実感できるようなサポート体制が整っている学校、3つ目は自分らしくいられる環境、居心地よく楽しく勉強できる学校を選ぶことだと思います。自分に一番合った学校を選ぶことは、精神面でも勉強面でもとても重要だと思います。
C: 実際に足を運んでみないとわからないこともたくさんあるので、その学校に行ってみて、「あ、ここだな」と思う直感的な感覚も大事だと思います。

帰国生の皆さんへ応援のメッセージをお願いします。
A: コロナ禍で大変な時期ですが、こういう時だからこそできることがあって、自分を見つめ直すいい機会でもあると思います。こういうピンチのときこそチャンスだと思って、自分がやりたかったことに挑戦してみるのがいいと思います。帰国するにあたって不安なことも多いと思いますが、サポートしてくれる人は必ずいるので、その人たちを頼って、自分を信じて頑張って欲しいと思います。
B: 帰国に加えてコロナもあって、大変で不安だと思いますが、同級生や先生、スタッフの人たちを頼って、自分に自信をつけて、少しずつ慣れていって頑張って欲しいと思います。
C: 自分の想像したとおりに物事が運ぶことの方が少ないので、ちょっと転んでしまったりしても大丈夫なんだと気楽に考えるのがいいと思います。不安で考え込むよりも、自分がどう貢献できるか、前向きに考えた方が学校生活もより充実して、得られるものも多いと思います。頑張ってください。

ありがとうございました。

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