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NIS Stories

日本の大学が求める学生とは:IB生は魅力的?

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NISの学びが育む「これからの大学が求める力」

 

近年、日本の大学入試は大きく変化しています。昔は一律の学力試験の点数で合否が決まることが多かったのですが、今では「推薦入試」や「総合型選抜入試」といった方法を使う大学が増えました。では、この変化の背景にはどのような「大学が求める学生像」があるのでしょうか。

今年6月、名古屋国際学園(NIS)で行われた「大学フェア」には、日本や海外から21の大学が集まりました。NISではこのカレッジフェアを毎年開催しており、入試担当者から直接話を聞くことができます。その際入試担当の人たちから直接話を聞いたところ、どの大学も「ただ知識をたくさん持っているだけでは足りない」と口をそろえていました。今の学生に求められるのは、知識を実社会に生かす力、多角的に物事を考える論理的思考力、協力して意見をまとめるコミュニケーション力、主体的に課題を見つけ解決する力、そして異なる価値観を受け入れながら共に成長しようとする姿勢などです。こうした総合的な能力を兼ね備える学生が、今の大学にとって魅力的な存在だと強調されていました。

現代のように社会の国際化が進み、多様な文化や価値観をもつ人々が共に暮らし、働き、学ぶ時代においては「違い」を恐れず受け入れ、相手を尊重しながら対話し、協力して新しい価値を創り出す力が求められます。つまり、異文化理解力・コミュニケーション力・協働力などがこれからの社会でで生きるために求められるスキルです。

また、大学の授業形態のあり方も変わってきています。企業の中枢で働く人が講義を担当したり、実際の社会問題を解決するプロジェクトに取り組んだり、国内外でのインターンシップ(職業体験)を必修にしている大学も増えています。知識だけでなく、「実際にやってみる経験」を通して成長できる学生が求められているのです。

この点で特に評価が高いのが、国際バカロレア(IB)プログラムの学びを経験した生徒です。大学担当者は「IB生は魅力的だ」と口をそろえます。その理由は、問題解決能力や探究心に加えて、学んだことを社会と結びつける力、自分の興味や情熱を理解し、それを学びに活かす姿勢にあります。IB生は課題に対して自ら問いを立て、調査し、解決策を考えることを日常的に実践し、その中で確かな力を培っています。

例えば、東北大学の担当者は「IB生がほかの学生に与える良い影響は計り知れない」と話しています。IB生は英語で円滑に議論を進めることができる優れたコニュニケーション能力をもち、主体的に学び、多様な意見を受け入れながら協力してプロジェクトを進めることに長けており、一緒に学ぶ仲間にも良い刺激を与える存在だからです。

京都先端科学大学の担当者も興味深い視点を語ってくれました。「IB生は大学のブランドにこだわらず、自分の強みや情熱を理解し、大学で何を学びたいかを明確に掴んだ上で、自分の将来に直結する進路先を選んでいる。また、多くの学生が大学レベルの数学や物理でつまずくが、IB生は自分がどこでつまずいているのか、克服するには何が必要なのかを冷静に把握できる」と。

このように、大学が求めるのは単に知識を持っている学生ではありません。多様性を尊重しながら、自分の頭で考え、社会とつながり、実践を通じて学びを深められる学生です。そして、その力をすでに身につけ始めているIB生ーーつまりNISの学びの中で育ってきた生徒たちは、多くの大学から高い評価を受けているのです。

 

カレッジフェアとは   カレッジフェアは、日本の大学をはじめとする各大学の担当者が学校を訪れ、生徒に直接進学情報を紹介するイベントです。NISでは毎年開催されており、愛知医科大学、名古屋大学、東北大学、立命館大学、上智大学、早稲田大学などの担当者から、大学の特色や学びの環境、入試制度について対話しながら理解を深めることができます。生徒たちにとって、国際的な視野を広げ、自分の将来像を具体的に描く貴重な機会となっています。